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2011年2月12日 (土)

開発の現場から:開発業務における記憶力の重要性

 開発業務は創造性が要求される業務だと思われていると思う。技術開発で名をはせた経営者である本田宗一郎氏やSONYの井深大氏などそうそうたる方々もそう言っている。一方で、暗記偏重の教育はだめだという声も多い。だから創造性教育を、ということで考えられたゆとり教育が実質上失敗してしまった。創造力と記憶力は、相反するものなのだろうか。
 開発の現場から見ると記憶力というのは、開発業務においてきわめて重要な役割を果たす能力の一つである。創造力か記憶力かという二者択一ではなく、どちらも必要なのが開発業務である。
 世界初のマイクロプロセッサを開発した嶋正利氏のマイクロコンピュータの誕生―わが青春の4004という本の中で、開発中のマイクロプロセッサの回路はすべて頭の中に入っていて、それを忘れないよう休みの日は激しい運動とかをしないように気をつけていたという記述があった(この本は今手元にないので、詳細は不明)。まあこれは、回路規模の小さな頃だった頃のエピソードであろうが、今でも開発中の主要な部分が頭の中にあるというのは重要なことである。
 どうしてもソフトウエアのバグがとれずに何日も悩んでいたら、ある夜、夢の中でソースコードの一部がブリンクした。翌朝、会社でその部分を確認したらそこがバグの箇所だった、というエピソードを聞いたこともある。これも一概にそんなばかな、ではなく、何度もコードを見直していたため、その部分を覚えていて、寝ている間も脳が働いていたのかもしれない。
 開発における記憶は、いわゆる丸暗記とは違う。考えに考えたものが、整理されて頭の中に入るのである。なのに、覚えていないというのは、考えが足りない、整理が足りないということの証拠のようなものである。
 開発の現場で、重要なポイントを質問したときに、毎回、ドキュメントを見ないと答えられない開発者を私はあまり信用しない。そんなものは、自然に頭の中に入ってしまうくらい何度も考えるのが開発者の仕事だからだ。その結果としてブレークスルーの発見があるのだ。
 そういう意味で、記憶と創造は両輪なのだと思う。

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