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2011年2月20日 (日)

開発の現場から:ソフトウエア品質とハードウエア品質

 先日、ある部署で照明器具から煙が出た、という事故が起きた。調べてみたら、なんと40年以上も前の器具であった。そりゃ壊れるよ、ということになった。この場合、そんなに長く使用していた方が非常識ということに落ち着いたようである。今回のケースでは、私の会社はメーカーなので、いくら古くても煙がでるとは何事だ、という話にはならなかった。しかしエンドユーザーの場合はそうもいかない。現に、古い扇風機を使っていて発火した問題でも、メーカーが注意喚起している。メーカーの立場から考えると、勘弁してくれ、というのが正直なところかもしれない。
 しかし、これを設計でなんとかしようという動きもある。変に長年動くから使い続けて、火災が発生したりする。それよりも、あっさりと壊れる方がいいという考え方である。この設計のためには、それぞれの部品に関する寿命予測の技術が必要になるが、大切な考え方だと思う。
 一方、ソフトの場合はどうなのだろう。ソフトの場合、経年劣化はしない。そのかわり、周囲状況が変化する。もともとテストしていた環境がかわってしまうのだ。たとえば、LANが10Mb/sの頃に作ったソフトがあったとする。これが安定しているというので、新しい機種でもそのソフトを使う。ただ、LANは100Mb/s対応になっており、この速度でバッファを処理できるようにはなっておらず、問題を起こすということがあり得る。
 こうしたケースでやっかいなのは、LANが10Mから100Mに変わったと言っても物理速度が変わっただけである。実際の使われ方は、物理速度が変わっても当面は10M時代と同じような通信しかない。だんだんと、周囲環境が変わって、あるとき、急に通信量が膨大になって問題が発生する。LANの速度が引き起こした問題にもかかわらず、LANの速度変更と問題発生との間に時間差があり、問題の特定が遅れてしまうのだ。
 使われ方の変化にどう対応するかという意味で、ハードウエアの設計の考え方も参考になるかもしれない。変に動くよりも、問題を検知した時点で止まるのである。その場合、どこにその止まるポイントをしかけるのかということが技術の根幹になる。こうした、信頼性に関する取り組みは、なかなか現場では出来ない。大学とかで研究してほしいものだが、地味なのでなかなか取り組めないのかもしれない。

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