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2011年3月27日 (日)

題名通りPICマイコンの基礎が学べる良書

 組み込み技術には2つの大きな流れがある。1つは、ARMプロセッサに代表される高機能化の方向である。組み込みLinuxや、.NET Micro Frameworkなどを搭載し、ネットワークやユーザーI/F機能を充実させる方向である。一方で、センサ入力とかモータ制御のように、周辺機器のインテリジェントコントローラとして使う方向である。いわゆる組み込み技術という意味では後者が本家本元である。PCにも使うようなマイクロプロセッサをCPUと呼び、コントローラに使うようなマイクロプロセッサをMCU(マイクロ・コントローラ・ユニット)と呼んだりもしていた。
 PICはその後者のマイクロコントローラ系統のマイコンとして最も普及しているチップである。アマチュアの電子工作で人気のArduinoがAVRマイコンなのでAVRも追い上げているのであろうが、実際の応用としてはまだまだPICの方が多いのだと思う。
 PIC関係では、本当に本がたくさん出ている。その中で、PICマイコンの基礎という本は題名通り基礎となるポイントをおさえた良書である。しかも、最新デバイスであるF1ファミリを題材に使っている。この手の技術書では題材のチップが新しいということは重要である。
 どのあたりが基礎的かというと、たとえば、バイパスコンデンサとクロックについてわかりやすく説明している。マイクロコントローラ系のチップは周辺回路をほとんど必要としない。とはいっても、バイパスコンデンサとクロック周りの設計は安定動作のためには重要であり、これをきっちり理解することは他の設計でも応用がきく。このあたりを少ないページ数ながら説明しているところに好感が持てる。ソフト面でも、なかなか理解が難しいタイマ制御とPWM制御について、フルカラーLEDを制御するという例題を用いてわかりやすく説明している。
 著者の後閑哲也氏の本は、どれも良書が多いが、この本もおすすめである。
 ただ、題名通りの本にするなら、キッチンタイマ、温度計付き時計、リモコンボード、ラジコンボードなどの応用例は余分だったと思う。最近、なぜか応用例をたっぷり載せた本が多いが、基礎を学ぶなら、LEDとスイッチだけで十分である。フルカラーLEDを制御するという事例をきっちり理解するだけで、組み込みソフトウエア開発の基礎はかなり身につくはずである。後閑氏のような実力のある方に、基礎だけみっちりと解説した本を書いてもらいたい。そしてそういう本できっちりを基礎を理解する組み込み技術者が増えて欲しいものだ。

 

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