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2011年3月 5日 (土)

科学と技術の違い:「石橋を叩けば渡れない」から

 前に書いた続きで、石橋を叩けば渡れないという本の紹介を続ける。
 科学と技術は全く違う、という章がある。

「科学と技術とは、全くちがうんだ」ということは、「知識を得ることが科学なのである」ということです。<中略>もしそれが本当に科学のような知識を得ることの研究であると仮定したら、一から役に立つ研究はないのです。<中略>知識を得ることが科学であるとしますと、その知識を、何かの目的で使うことが技術なのです。

 科学を嫌いな人が多い。しかしそれでも、このことは理解してもらう必要があると思う。科学で得られた知識をどのように応用するかは、技術者の仕事であり、それに必要な動機は異なる。科学者は真理が「知りたい」という動機だし、技術者は「役に立つものを作りたい」である。
 よく科学者の倫理ということが問題になるが、実験の方法などの手法論は別にして、知識を倫理で束縛するのはあまり良いことではないと思う。ところが、技術者は別だ。これが本当に世の中の役に立つのか、ということを問いかける職業倫理が必要であろう。
 たとえば、技術士の口頭試験では、技術者倫理の設問がある。その技術者の職業倫理を面接で見極めることが出来るかどうかは別にして、技術力だけでは技術士として認めるわけにはいかない、という考え方の表明であると思う。職業倫理というのは、理屈で決まるものではない。社会通念との関係性の上で成り立つものであろう。

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