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2011年4月13日 (水)

組み込み技術を基礎から学べる硬派の本:12ステップで作る組込みOS自作入門

 Arduinoがトリガになっていると思われる電子工作趣味の復権が果たして組み込みのプロの卵を養成することにつながるのだろうか?という疑問について前回書いた。今回は、Arduinoによる電子工作の本とは180度異なる硬派の本について紹介したい。
 12ステップで作る組込みOS自作入門というこの本は、全くノーマークの本だった。12ステップで作る、というところがいかにも安直な感じがしかたらだ。でも実際には硬派の本である。
 何が硬派かというと、「組込みOS自作入門」といいながら、最初の半分はブートローダーの作り方について述べ、残りの半分で筆者の作った組み込みOSについて述べてある。ブートローダーというのは、プログラムをロードしてきてそのプログラムを実行するためのソフトウエアである。組み込みの場合、ROMからプログラムを読み出したり、シリアル通信経由でPCからプログラムをダウンロードしたりして実行する。通常市販されている組み込み基板では、ブートローダーは既にROMに書き込まれていて、自分で作ることはない。この本では、あえてこのブートローダーの作り方にページを割いている。この前半部分に、CPUの初期化、ROM・RAMの使い方、シリアル通信プログラムの書き方、など組み込みソフトウエアで重要な基礎的な要素が含まれてる。重要だが解説することが難しいい部分を逃げずにあえて解説したところが、この本を類書にはない良書にしている。
 実務上は、ブートローダーを作る必要も、組込みOSを自作する必要も全くない。しかし、この中身を理解するということが、組み込み技術を理解することにつながるかというと、自信をもってYesと言える。これが近道か、と言われるとそれはわからない。あえて人が避けて通る道をたどって、組み込み技術を語る、という意味で硬派な本だと思う。
 この著者は、そういう傾向の人らしく、リンカ・ローダ実践開発テクニックという、リンカ・ローダだけで1冊の本を書いている。中身がまた濃い。こうした濃い本は米国では出版されているが、日本ではあまり見かけなかった。著者には、今後もがんばって欲しいと思う。

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