« Interface9月号は組み込み技術者にはあまり馴染みのない映像I/F:HDMIは仕様非公開だったんだ | トップページ | 開発における工程間の溝:小規模開発でも工程はスキップできない »

2011年8月 1日 (月)

小規模開発組織向け開発プロセスISO29110:CMMIでは重すぎる小規模開発プロジェクトは多いだろうなあ

 日経エレクトロニクス7/25号に、小規模開発組織向け開発プロセスISO29110の紹介記事が1ページだが載っていた。こんな国際規格があるとはこの記事を読むまでは知らなかった。
 開発プロセスと言えば、今や猫も杓子もCMMIである。当社でも組み込みソフトウエア開発へもCMMIを適用している。CMMIはさすがベストプラクティスということで、書いてあることは良いことばかりである。しかし、これをそのまま小規模開発へ適用するのは現場ではオーバーヘッドが大きすぎる。
 組み込みソフトウエアというのは、携帯電話などの一部の開発を除き、大抵の場合、小規模開発である。大企業であっても、組み込みソフトウエアで100人を超える規模での開発は数えるほどしかないだろう。私が担当している開発なんかでも大抵は1製品で10人前後である。これにCMMIを適用するのは本当につらい。CMMI対応のための要員を追加するのだが、もともと10人前後の開発人員に対し、1~2人の要員追加をしていたのでは、コストがかかりすぎる。
 これで、品質が良くなったり、開発納期が縮まったりすればいいのだが、そうはならない。製品出荷後の大クレームを出したのが、全社のトップを切ってCMMIレベル3を取得した部署だった、という笑えない笑い話がある。結局開発プロセスというのは、プロセスでしかない。開発する中身の技術がゴミであれば、そのゴミを正しい手順でゴミの製品に仕上げるだけのことである。
 じゃあ、CMMIは意味がないのかというとそうでもない。CMMI活動で良かった点が2点ある。1点は、納期に対してリスクを話できる土壌ができたことである。昔は、納期を守る=根性=休日返上という単一の公式しかなかったが、納期を守るためには、見積もりが重要ということだけは少しはわかってもらえるようになった。もっとも、その見積もりは結局は無理矢理縮めさせられ、最後は納期を守る=根性=休日返上である実態は変わらないのだが、少なくとも議論できるだけでも進歩である。
 もう一点は、開発者間で共通の言語ができたことだ。それまでは、開発管理的な業務は昔の上司からの口伝であって、標準的な開発工程などの言葉の意味ですら各個人がどの上司の下で仕事をしてきたかによって全く異なるというのが実態だった。こんなことでは、10人前後の開発プロジェクトでもバビルの塔プロジェクト状態になる。共通の言葉を持てたのはCMMIのおかげである。
 コスト面から見ても、小規模開発へ適用しても大きなオーバーヘッドにならない開発プロセスがあれば、今すぐにでも使いたいものだ。

« Interface9月号は組み込み技術者にはあまり馴染みのない映像I/F:HDMIは仕様非公開だったんだ | トップページ | 開発における工程間の溝:小規模開発でも工程はスキップできない »

マネジメント」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

組み込み技術」カテゴリの記事

開発業務」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/568535/52366412

この記事へのトラックバック一覧です: 小規模開発組織向け開発プロセスISO29110:CMMIでは重すぎる小規模開発プロジェクトは多いだろうなあ:

« Interface9月号は組み込み技術者にはあまり馴染みのない映像I/F:HDMIは仕様非公開だったんだ | トップページ | 開発における工程間の溝:小規模開発でも工程はスキップできない »

2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

公告

  • Google Adsense
無料ブログはココログ