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2011年8月 2日 (火)

開発における工程間の溝:小規模開発でも工程はスキップできない

 組み込みソフトウエア開発は小規模なものが多いので、CMMIは重すぎる。しかし、このCMMI活動を通して、開発に関する言葉の共通化が少し図れたことは効果があったということを、前回書いた。
 言葉の共通化は、開発における大きな課題の一つである。この共通化が最も必要なのは、工程間のコミュニケーションである。
 日経システム7月号の特集記事は、「工程間の溝をなくそう」である。要件定義、設計、実装、テストのそれぞれの工程で、担当が異なり、その工程間で溝ができる、ということを題材にした特集である。そのPART1は、「溝がもたらす悲劇」ということで、工程間の溝がもたらす開発の失敗の事例が載っている。開発規模の大きさや開発対象の違いなどで、具体的な事例は異なるが、ベテランの開発者なら大なり小なり経験してきたような事例である。こんなことってあるよなあ、というつぶやきがもれそうになる。
 大規模な開発プロジェクトであろうと、開発者が10人前後の小規模開発プロジェクトであろうとやっかいなのは、工程はスキップできないということだ。たとえアジャイルで開発したところで、やはり要件定義、設計、実装、テストという工程は必要である。工程の順番、作る成果物の大きさ、開発の進め方、などでバリエーションはあっても、各工程をなくすことはできない。
 この全行程を1人でやれれば、工程間の溝はなくなるだろう。しかし、大抵の場合、複数の人間がかかわる。小規模プロジェクトの場合、工程を掛け持ちするということはよくあることだ。でも、1人ではなく、複数の人間がかかわることで、自動的に工程の溝ができてしまう。
 日経システムでは、その原因を、成果物を作る工程と使う工程とで観点が異なることが原因であると言っている。確かに、これはその通りである。これを防ぐためには、次工程を一度経験してみるしかないであろう。工程を掛け持ちせざるを得ないという小規模開発の欠点は、この工程間の溝を埋められる人材育成としては利点になるかもしれない。

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