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2011年9月27日 (火)

とうとうプリントゴッコも全て販売終了:製品の栄枯盛衰について

 プリントゴッコがとうとうなくなる。メーカーのニュースリリースによれば、2008年にプリントゴッコ本体のメーカー販売を終了し、関連消耗品の販売、およびサポートを継続してきたが、2012年末に関連事業をすべて終了することにした。
 プリントゴッコは1977年に発売を開始した。プリントゴッコと私の学生時代がちょうど一致している。それなりの数の年賀ハガキを出す年齢になったころ、プリントゴッコが出てきた。当時、年賀ハガキの印刷を印刷屋に頼むのは、学生の分際では無理で、版画とかを使ったり、それこそ全て手書きだったりした。そんな中、プリントゴッコは、値段といい、刷り上がりが今までの版画よりもはるかにいいことといい、ちょうどぴったりで、長年愛用した。
 結婚して子供が生まれると、子供の写真を年賀ハガキに載せたくなる(親ばか丸出しだが)。ところが、プリントゴッコではそれはできない。子供ができるころには学生時代よりも年賀ハガキにかけられる費用も増え、かつ、年賀ハガキの印刷代もプリントゴッコというライバルが出てきたおかげでかなり安くなり、10年ほど印刷を頼んでいた。
 しかし、子供が少し大きくなると、自分たちが年賀ハガキを出すようになる。10年間使っていなかったプリントゴッコを出して子供に使わせた。インクの質などは向上していたが、製品としては互換性があるため、本体を買い換えることはせずに済んだ。
 そのうち、子供もPCが使えるようになり、インクジェットプリンタの性能も飛躍的に向上し、今や全てプリンタである。プリンタのいいところは、宛先も自分で書く必要がなくなることだ。字が下手な人間には本当にうれしい。
 プリントゴッコは、ある意味、本当に素晴らしい市場を見つけた。印刷屋に頼むほどではないが、版画ではあきたらない、年賀ハガキ市場をうまく見つけ、そこへぴったりの製品を投入する。しかも、本体そのままで、印刷用マスターの質を上げたりインクの質を上げたりして、消耗品を売りまくる。さらには、年賀ハガキ用のデザイン集なども出して、ユーザーの利便性を広げていく。売り方も実演販売をやったりする。
 季節性の強い、ニッチ市場向けの製品であったが、マーケティングと技術とがうまく連携した良い製品であったと思う。初期のころは類似製品もあったりしたが、不動のシェアだったろう。
 でも、PCとインクジェットプリンタという技術革新に負けてしまう。仕上がりも、手間も圧倒的にPCとインクジェットプリンタの方が上だったからだ。インクジェットプリンタメーカーは、プリントゴッコが開拓した市場と同じ市場を狙うという戦術でプリントゴッコを駆逐してしまった。どんなにシェアの高いガリバーでも、技術革新によって駆逐されるというのは、技術者にとって肝に銘じなければならないことの一つであろう。

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