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2011年11月30日 (水)

こんなのが特許になるんだ:アップル社のインターフェース特許

 前にも書いたように、知財というものについて、個人的には、知財の権利保護の側面ばかりが強調され、科学技術の促進の目的が阻害されているのではないか、という素朴な疑問を持っている。しかし、企業の一技術者としては知財対策は重要な仕事であり、それなりに興味を持っている。
 「切り札はインターフェース特許」というWebの記事を読んで、思わず、「こんなのが特許になるんだ」と独り言を言ってしまった。iPhoneやiPad上でドキュメントやリストを表示させてスクロールさせるときの動きに関する特許である。少し引用する。

 例えば写真や文章をスクロールさせながら眺めていて、一番端のこれ以上スクロールできないところにまでたどり着いたとする。それでもさらにその写真を無理やりスクロールさせようと指で画面を押さえて動かしたとき、指が画面に触れている間は指とともに写真が動くが、指を離したとたん写真の端と画面の端がゴムでくっついているかのようにバウンドしながら元の位置に戻るというもの。この特許にはいくつかのバリエーションがあるが、基本的にはこれだけのものだ。
 たったこれだけの特許だが、アップルはこれを世界各国で対Android訴訟用の武器として多用。今後のスマートフォンの特許紛争で重要な役割を果たす特許だと見ているようだ。

 たったこれだけの特許、という表現からも、記者もこれで特許になるのかと少し疑問を持っていることがわかる。特許というのは、今までにない新しいものであるという「新規性」と、従来のものから容易に思いつくものではないという「進歩性」が必要だ。この特許は新規性はあるが、本当に進歩性があるのか少し疑問だ。
 とはいえ、特許庁が認めているので、現に権利は存在する。そして、この権利は確かに切り札になる。同じ事を他社がやるとすぐにわかるからだ。しかも、先行するiPhoneやiPadでこのインターフェースを実施されると後発のメーカーはまねをせざるを得ない。まねをすると、すぐアップル社にばれて訴訟を起こされるというわけである。アップルというのは本当にすごい会社である。

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