« ヒューマンエラーを引き起こす設計:セーフウエアより | トップページ | トヨタ博物館へ行ってきました:入場料1000円と少し高いがその価値はある »

2011年11月16日 (水)

ヒューマンエラー対策として自動化することがヒューマンエラーを起こす:セーフウエアより

 前々回前回に引き続き、セーフウェア 安全・安心なシステムとソフトウェアを目指してから、考えさせられた箇所について書いてみたい。
 前回書いたように、ヒューマンエラーは、実は設計時点でヒューマンエラーが起きやすいような設計にすることによって引き起こされることが多い。しかし、現象としては、ヒューマンエラーとして見えてしまうので、真の原因を追及しない限り、ヒューマンエラーによって事故が起きた、という話になりがちである。そうすると、そのヒューマンエラーを防止するために自動化を推進することになる。この本の言葉を少し引用する。


 設計者がシステムから人間の役割を除こうとすると、ほぼ必然的にオペレータの仕事を複雑にし、おそらくずっと事故を起こしやすくする。<中略>
 自動化は、通常人間を排除しないばかりか、彼らのタスクの複雑さを新たな水準に引き上げることになる。タスクの容易な部分は排除されるだろうが、困難な部分が残るか、残ったタスクの複雑さが高まる。<中略>集中化と高度な自動化は、一般に人間の決定と行為がもたらす影響を増大させる。

 本当に、完全な自動化はあり得ない。現在の技術では、それは不可能だからだ。何らかの形で、オペレータが介在することになる。介在に必要な能力が、人間の限界を超えると、もうどうしようもなくなる。そもそも、人間は高度なことをしようとすると訓練が必要である。そのためには、簡単なタスクを実際にこなす必要がある。教習所で練習しない限り、いきなり高速道路で運転することはできない。でも、今の自動化は、教習所では自動運転で、高速道路は人間が運転するようにしろ、と言っているような部分がある。
 その結果、ヒューマンエラー対策として自動化することがヒューマンエラーを起こすという皮肉な結果になる。システムから完全に人間が排除できない限り、人間を理解しなければ安全なシステムは作れない、というのが、この本の主張の一つであり、技術者はそれを真摯に受け止めるべきだと思う。
 

« ヒューマンエラーを引き起こす設計:セーフウエアより | トップページ | トヨタ博物館へ行ってきました:入場料1000円と少し高いがその価値はある »

技術」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

組み込み技術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/568535/53260873

この記事へのトラックバック一覧です: ヒューマンエラー対策として自動化することがヒューマンエラーを起こす:セーフウエアより:

« ヒューマンエラーを引き起こす設計:セーフウエアより | トップページ | トヨタ博物館へ行ってきました:入場料1000円と少し高いがその価値はある »

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

公告

  • Google Adsense
無料ブログはココログ