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2012年5月26日 (土)

開発の現場から:組み込みソフトウエアの進歩を妨げるもの-保守的な技術者が多い

 ソフトウエア技術というのは、最後はコンピュータ上で実現されるので、ハードのイノベーションでもない限り、できることは変わらない。しかし、生産性という意味では、いろんな工夫がされてきている。大きなソフトウエアを作るという方向性であったり、信頼性を高めたり、再利用性を高めたり、とあらゆる工夫がされている。オープンソースのような開発のやり方などは、最も大きなイノベーションであろう。
 ところが、組み込みソフトウエアの技術者は、こうした動向には鈍感なのである。技術に対して保守的な人間が多い、という印象がある。
 もちろん、こうなる理由はある。PCほどハードウエア資源が豊富ではない。新しい技術は、ハードウエア資源を使う方向であることが多いので試しにくいということがある。また、一度製品化してしまうと、バグがあってもアップデートする手段がないので、ソフトウエアの信頼性がもっとも重要であり、そのため、枯れた技術を使うという選択を選びがちである。
 しかし、そうした特殊事情を除いても、あまりにも保守的すぎるという印象がある。組み込み製品の中で、ソフトウエア開発費がハードウエア開発費より1桁大きいとか、開発納期はソフトウエアによって決まる、という状況にある製品も多いだろう。それなのに、この開発費や開発期間の短縮を、開発管理の向上だけで乗り切るというのは無理がある。新しい技術の導入を考えないといけない。
 たとえば、オブジェクト指向で設計する、ということは、完全に枯れた技術だ。でも、私の周囲にいる組み込みソフトウエア技術者は、実践しない。実際にやってみて使えない技術だと言うのではなく、最初から取り組まないのである。これは、新しい技術を勉強するのが嫌なのだとしか思えない。こんなことでは、組み込みソフトウエアは日本がまだ優位だという状況は、いつまでも続かないのではないか、と懸念している。

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