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2012年10月10日 (水)

適正技術という考え方

 適正技術と代替社会――インドネシアでの実践からという本を読んだ。
 この本を読むまでは、適正技術という言葉は全く知らなかった。インドネシアでの実践から、という副題がなかったら絶対読まなかったであろう。この言葉は、60年代後半から80年代中盤に盛んに議論された言葉らしい。私は80年代中盤に社会に出たので、知る機会がなかったのか、若い頃には興味がなかったのかもしれない。
 本書によると、この言葉には大きく2つの意味がある。
 1つは、現地の社会的・文化的条件に即した、現地に受け入れ可能で、ニーズを効果的に満たす技術という意味である。先進国の技術を途上国へ無批判にそのまま適用してもうまくいかない。先進国で当たり前とされる技術でも、コストが高かったり、運用のノウハウが必要な技術は、現地では使えないからだ。本書では、著者が実際にインドネシアで関わった水質汚濁やバイオマスエネルギーの取り組みについて、具体的に紹介する。私とは専門が異なるのだが、具体的な説明なので、わかりやすい。しかも、この説明が、適正技術の考え方の根本の思想も説明するものになっている。
 インドネシアにあった技術にするための様々な工夫で、実際にいろんな技術分野に著者は「自ら」取り組む。大企業の技術者を経験した著者は、日本では複数の専門家が関わることでコスト高になるし、課題も改良点もかえって見えなくなっているのではないか、という疑問も投げかける。なかなか耳の痛い指摘である。
 2つめの意味は、公害や資源浪費などの近代科学技術がみたらした問題を念頭に、それらを解決する技術的代替をなす技術群である。インドネシアでの実践を通して、先進国における代替技術を用いた低エネルギー消費社会を提案する。こちらの部分は、抽象的な表現が多く、そのままうなずけるものではなかった。とはいえ、こうした考え方があるということを技術者自らが知ることは重要だと思う。
 

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