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2012年11月 8日 (木)

専門家集団に潜む危険性:構造災を読む

 構造災――科学技術社会に潜む危機という本を読んだ。新書のくせにかなり読みにくい本だが、内容そのものはなかなか示唆的である。
 構造災というのは聞き慣れない言葉であるが、筆者の提案した言葉だという。副題には科学技術社会に潜む危機とあって、その副題から思い浮かぶように原発問題を契機として書かれた著作である。ただ、科学と社会の関係というよりはむしろ、専門家集団に依存せざるを得ない社会、その専門家集団に潜む日本社会特有の危険性、その社会そのものへの影響ということを、(原発問題だけではなく)過去の事例を基に実証しようとして本である。
 その事例そのものは、戦前の戦艦の設計ミスとそれに関わるいかにも日本的な動きだったりするので、これも読みにくい理由かもしれない。ただ、日本特有の問題かというと、もう一つの事例はチャレンジャーの事故の事例なので、日本だけの問題かというとそうでもない。
 ポイントは、まず現代社会は専門家集団を必要としていること。その専門家集団は正しい判断をするかというとそうではない。当然、専門家も一般人であるため、判断そのものにいろんな意味でのバイアスがかかる。その中でも最も大きなバイアスは、集団の利益と全体の利益という対立である。といようり、専門家集団という中にいるとその手の対立があることそのものにも気づかずに集団の利益にそって進めていくという現象だ。
 日本に限らず、どこででも発生しそうな話ではあるが、島社会の日本では頻発する問題だろう。

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