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2014年1月22日 (水)

歴史的計算機の動態保存:情報処理2月号の記事より

 情報処理 2014年02月号で面白い記事があった。「歴史的計算機の動態保存から得られる知見」という解説記事である。「動態保存」というのは聞き慣れない言葉だが、単にコンピュータを保存するのではなく、コンピュータを実際に動作させてみることができる状態で保存することを「動態保存」と呼んでいる。
 動態保存されている有名なシステムの一例としては、 富士通の沼津工場のFACOM128Bがある。これは1958年のリレー式の計算機で、現在でも動作するよう維持管理されており、実際の計算を行うことができるようになっている。これと同じような事をいろいろな種類のコンピュータについて実施しようという取り組みらしい。大学での取り組みであるので、動態保存そのものには学問的意味がある。コンピュータ自体の研究という面では、コンピュータを評価する新しい軸ができたとき、過去のコンピュータを新しい軸で評価できるということがある。なるほど。この記事の中にも、実際に評価した結果のグラフも掲載されている。
 しかしこの記事で、私にとって非常に面白かったのは、動態保存するために苦労している苦労話の部分である。少し引用してみる

 多くのコンピュータで起こり得るのが、構成情報を保存するための不揮発性メモリ (NVRAM)の電池切れである。コンフィギュレーションのデータが失われても動作するものも少なくないが、このデータが失われると正常にシステムが動作しなくなるものが多い。
   <中略>
NVRAM自体の修復の技術は確立されていて、チップを削って、封入されているバッテリを摘出し、ボタン電池のソケットを追加して対応している。ただ、NVRAMが復活した場合でも、前述のとおり正常な起動にはデータの復旧作業も必要だ。

 なるほど大変な苦労である。電解コンデンサ問題も興味深い。これについても少し引用する。

 コンピュータが製造された時期によっては、電解コンデンサの不良が発生している可能性がきわめて高いものがある。1990年代前半のものと、2000年代前半の時期がこれに該当する。

電解コンデンサといってもその使い方・種類によって、故障する部分・故障のモードが違うのである。
 ここで挙げた例以外にも、本当にいろいろな苦労して動態保存されている。かつて、コンピュータのハードウェアやソフトウェア開発を担当していた古い技術者にとって、非常に面白い読み物である。

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