カテゴリー「書籍・雑誌」の記事

2018年7月11日 (水)

個人消費者にIoTは意味があるのか

 日経ビジネス7月9日号に掲載されていた「企業研究 象印マホービン」の記事を興味深く読んだ。その中に、
「最新技術でもおいしさや便利さに直結しない分野は研究しない」だから他社が採用したようなスマホ連携や音声操作対応といった機能には目もくれない。
という記載があって、見識だなあ、と思った。
 私は、ネットワーク系の組み込み技術者なので、どちらかというと「スマホ連携や音声操作対応といった機能」を既存の製品に導入する側である。でも、単価の高い製品ならともかく、個人消費者が購入するような安い製品に、こんな機能を入れ込んでも仕方ないなあと思うようなものは少なくない。IoTという技術トレンドに踊って、消費者ニーズを忘れてしまっているようにも思える。

2018年6月25日 (月)

Interface8月号の特集は「IoT新技術 なるほどブロックチェーン」:IoTで使うためのブロックチェーン技術

 Interface 2018年 08 月号の特集は「IoT新技術 なるほどブロックチェーン」。ブロックチェーンといえば、仮想通貨を思い浮かべるが、技術そのものは仮想通貨以外の応用にも使える。
 本誌でブロックチェーン技術を紹介するのも、IoT分野でもブロックチェーン技術が重要になる可能性があるからだろう。とはいえ、組み込み分野ではなじみのない技術なので、特集の半分は技術の紹介である。あとの半分で実際に実験ということになるのだが、PC上での実験とラズパイを使った実験が紹介される。実験といっても、できることは大したことではない。あくまで、技術を確認するための実験である。いつもの、へ~こんなことができるんだ、という驚きはない。だが、実際にセンサ情報をブロックチェーンに保存するという実装解説は、ブロックチェーン技術が具体的にIoTに使えるかどうかを考えている技術者の参考になる。
 特集記事以外には、人工知能フレームワークTensorFlowの動向として、ラズパイでも動かせる推論環境TensorFlow Liteの記事が興味深かった。

2018年5月30日 (水)

個人情報を扱う会社に実際に開示を請求してみたら・・・:日経ビジネス5/28号の記事

 日経ビジネス5/28号の特集記事は、「7社が隠す個人情報」。個人情報保護法では、企業が自分の個人情報をどのように蓄積しているのかについて、その個人が企業に情報開示請求をした場合、開示しなければならないことが定められている。
 本記事では、実際に、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、LINE、楽天、ヤフーの7社に、開示請求した際の、各企業の対応が記事になっている。その実態は、といえば、お粗末である。ほとんどの企業で、開示請求を握りつぶされているのだ。つまり、法律通りに、個人情報が開示されないのである。
 ネット社会において、これら7社のサービスを全く使わないというのは、かなりの不自由である。でも、個人情報保護法という法律に従わない会社が、我々の個人情報を適切に管理しているのだろうか?フェイスブックの例もある。情報流出の可能性は常にある。
 少なくとも現時点では、全く信頼できないことは確かだ。これら大手以外のネットサービスでは、よく、フェイスブックのIDでログインできるようになっている。これは、危険だと思う。下手に、IDを紐づけると、自分の全く知らない(情報請求しても知ることのできない)個人情報が、次々と蓄積されることになる。自営手段としては、それぞれのネットサービスの使い方を限定し、どうしても必要な情報以外は、登録しないことだろう。たとえば、Googleアカウントにログインした状態で、Google検索をしないとか、クッキーは消すとかの自営手段を取るしかない。

2018年5月28日 (月)

Interface7月号の特集は「360°&マルチ時代カメラ画像処理」:動画処理の解説が充実

 カメラを簡単に扱えるラズパイによって、画像処理は身近なものになった。それでも、静止画処理と異なり動画処理はハードルが高い。それに挑戦したのが、Interface 2018年 07 月号の本特集である。Piカメラで上方を、USBで接続した3台のWebカメラで水平360度を撮影する全方位撮影、超広角レンズを搭載したカメラ2台で全天球撮影という、ラズパイを使った撮影方法が特集記事。
 特別特集記事(特集記事とどう違うのかわからないが)では、動画処理に関する技術を紹介。実際に、VisualStudioとOpenCVを使って、動画処理を実験できるソースコードが収録されたDVD-ROMがついてくる。特集記事よりも、こちらの方がページ数が多く、こちらがメインのようだ。実際に、動画処理にどんな技術があって、どんな結果られるのかをPC上で実際に実験できる。
 特集記事以外には、連載記事「IT農家のディープ・ラーニング奮闘記」が最終回。いろいろな工夫が、TIP的にまとめられている。実際に、実用になる組み込みのディープ・ラーニング応用システムを実現してきた経験のまとめである。

2018年4月25日 (水)

Interface6月号の特集は「ちゃんとはじめる学習コンピュータ」:フレッシャーズ向けの教材がてんこ盛り-Micro:bitがおすすめなのかな?

 Interface 2018年 06 月号の特集は「ちゃんとはじめる学習コンピュータ」。春のスレッシャーズ特集ということで、マイコンボード、組み込みに関する無料オンライン講座、CPUチップ、コンピュータ名著を紹介。この分野にある程度詳しい私も、こんなものがあったんだ、とびっくりするようなモノまで紹介されていて、フレッシャーズがこれを読んでも、何を選ぶか混乱すると思う。しかも、コンピュータ名著の紹介は、確かに名著だけど、ちょっと古すぎるし、そもそも今では入手できない本も多い。今入手できる組み込みの本も紹介して欲しかった。
 第2部はMicro:bitの特集。第1部でいろんな紹介はしたものの、フレッシャーズにはMicro:bitがおすすめということなのだろうか?確かに安いし、MicroPythonが使えるということで、現在風だ。Mbedやベアメタル・プログラミングのやり方も紹介されているので、組み込みの勉強の道具は、これで用意できるはずだ。別途、いい教科書を買う必要はあるけど。
 特別企画「ウェアラブルのための組み込みAI生体計測の研究」は、ディープラーニングを使って、心電図の解析や動作解析をさせるという技術解説記事だ。ディープラーニングに関する解説記事では、画像解析が例題になることが多いが、この記事では、センサで取得した生体データであるというところが興味深い。

2018年4月13日 (金)

CQ出版の感謝祭:トラ技やInterface誌のバックナンバーを購入するならこの機会に

 CQ出版のWebShopが5/9まで感謝祭をやっている。この期間は、送料が無料になるらしい。
 このブログで、トラ技やInterface誌のレビューを書く時には、Amazonへのリンクを貼っている。今でもAmazonは書籍の送料は無料だからだ。
 ただ、Amazonに在庫のないバックナンバーを買うときには注意がいる。たまに、新刊よりも高価な値付けをしている業者がいるからである。特に、基板やCDが付録についている号に多い。そんな時でも、CQ出版には在庫がある場合がある。当然、定価で購入できる。いつもは送料が必要なので割高になるのだが、5/9までなら送料無料ということで、バックナンバーを買ういい機会だ。

2018年4月12日 (木)

トラ技5月号の記事『間一髪!測定器の命綱「グランド」』:私も経験あります

 前回トランジスタ技術 2018年 05 月号の感想を書いたが、特集記事以外にも面白い記事があった。測定器を破損から守るためにはプローブのグランドの接続やAC電源まわりの配線を理解しておく必要があるという内容だ。これは、本当に必要である。
 そもそも、間違った接続をすると、測定器を破損するだけでなく、感電することがある。設計上は、5V以上の電圧が発生するはずがないマイコン基板で、ICEとの接続コネクタに偶然触った時にビリビリと電気を感じたことがある。テスタで計測すると50Vくらいの電圧がかかっていた。即座にボードの電源をOFFにした。グランドの取り方をミスしていたのだ。そのころのICは頑丈なもので、ボード自体は破損しなかった。
 失敗はこれだけではない。AC電源まわりの配線を理解していなかったため、高価なロジックアナライザを、これは破損させてしまったことがある。ロジックアナライザの電源から煙が出てきたのだ。何とか修理できたが、高くついた。
 他にも、ロジックアナライザのプロービングの場所を間違えて、プローブの先を溶かしたり、と計測器がらみではいろんな経験がある。
 失敗した時に、この記事のような内容をしっかりと把握して、なぜこんなことが起きたのかを知ることが重要である。

2018年4月11日 (水)

トラ技5月号の特集は「micro:bit&新PIC入門」:PICの記事はPICファン必読

 一言で言うと、トランジスタ技術 2018年 05 月号は、組み込み技術者にとって、充実した内容であった。
 micro:bitは、英国の放送局BBCが教育用に開発し、100万台を無償で配布したことで有名になったボードである。日本でも、2000円程度で入手できる。このボードの上で、MicroPythonを動かすというのが、特集記事のmicro:bitの部分だ。MicroPythonについては、別冊付録1でも、ESP-WROOMで動かす方法、PC用のPythonとの違い、ライブラリなどを紹介している。
 PICの新しいシリーズであるPIC16F1ファミリの紹介記事は、後閑氏が執筆していて、さすがの充実した内容である。チップの概要、開発環境MPLAB、膨大なマニュアルを読まないと作れない初期化関数や割り込み処理や周辺モジュール関数をGUIの設定だけで自動生成してくれるという魔法のようなツールMCCの使い方、多機能なCIPモジュールの解説など、実際に使う時に知りたい内容を網羅して解説してくれている。
 このPICを使ったPICoTというマイコンボードについても解説がある。このボードは別売りされるようだ。定番のArduinoシールド接続、Wi-Fiモジュール接続だけでなく、RCターボ接続とかセンサモジュール接続とか、組み込みらしい構成である。
 別冊付録2には、はんだ付けの解説が掲載されていて、参考になる。

2018年3月25日 (日)

Interface誌のフレッシャーズ特集号を振り返ってみる

 前回、組み込み系技術雑誌と思っていたInterface誌のフレッシャーズ特集が「人工知能」だった、ということを書いた。ちょっと興味がわいたので、フレッシャーズ特集号の特集記事名をふりかえってみたい。
2017年AI/VR基礎固め![CD付き]新・画像処理101 :今年ではなく昨年からAIが特集だったとは気づかなかった、ただ、どちらかといえば画像処理が中心である。
2016年トルク自由自在!最新モータ制御 :なかなか渋い特集だ。ロボットなどでは、重要な技術だしね。
2015年オープンソース・マイコン開発環境入門 :特集記事は「ぴったり!ラズベリー・パイ×モバイル時代プロジェクタ」なのだが、この特集はフレッシャーズ特集ではなく別途開発環境の記事がある。
2014年フレッシャーズ特集なし
 なるほどねえ。毎年、同じ号でフレッシャーズ特集をやっていたと思ったのだが、そうではなかったようだ。2015年の特集が、私が描く組み込み系新人技術者に必須の知識なのだが・・・。

2018年3月24日 (土)

Interface5月号の特集は「もくもく自習 人工知能」:ポストに投函された新聞とチラシを自動判定するシステムが秀逸

 Interface 2018年 05 月号の特集は、恒例のフレッシャーズ特集が「人工知能」。今や、クロス開発ツールを使ったり、デバッガを使ったりするよりは、人工知能を習得するのが、新人技術者に求められる基本だということなのだろうか(古い技術者としては、ちょっと疑問)。
 特集の前半は、本当に基本的なことの解説と、Pythonで実際に試してみるという内容。本誌らしいのは、後半の応用の記事。ポストに投函されたモノを、画像処理+人工知能で判定し、新聞とチラシを区別し、新聞は右に、チラシは左に選別する可動部まで設置してしまった自動判定システムの記事である。こんなものが欲しいかどうかは別にして、確かに人工知能向けのシステムである。まじめに取り組んでいるところが、さすがに本誌である。
 特別企画「あなたの知らない生体計測の世界」は、生体計測という技術の奥深さを感じさせてくれる。普通にスマホで手を撮影した後で、画像処理をすると手のひらの毛細血管が見えたりする。ちょっと数式が多すぎて、難しい記事だが、こんなこともできるのか、という部分だけでもツマミ読みするだけでも、知識が増える。

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